皆さん、連休はいかがでしたでしょうか?
私は、この連休を利用して「土方や大工」仕事をしました。
縁あって、50~60年程経っている古民家のリフォームを、本職の大工さん一人に付き添ってお手伝いしてきました。
日曜大工レベルで、のこぎりや鉋やインパクトドライバーなどは使っておりますが、住宅レベルの資材に使う道具などは実際には今まで使ったことなど一度もありませんでしたから、大工さんに迷惑ばかりかけ足手まとい状態でした(笑と汗)。
9日間でしたが様々なことを教わり大変勉強になりましたが、結局一番わかったことは「この道二十数年手がけていながら、実は建物の事を何ひとつわかっていなかった。」ということでした。
工事に入る前に、当然ながら図面を書き、資材の種類と量を出し発注し、古民家のリフォーム(特に土台回りのやりかえ工事)の方法などを検討・決定して、そのための仮設用のものなども用意しました。
さて、いざ現場に入り自分が考えた工法と進め方を大工さんと検討し始めてゆきますと、(限られた時間の中で完成させるといったこともありましたが)特に一番重要で自分なりに一番気を使った土台回りのリフォームのやり方については大きな変更となりました。
「そうかあ。そうゆう方法があったのかあ・・・。」
大工さんと一言でいっても、様々な考えややり方や修行経験があり、そのバックボーンによって大工さんなりに担当工事を納めていくわけです。
いわば、一人一人大工さんの”癖”があるわけです。
その大工さんの癖と、現場という戦場とを咬みあわせて臨機応変に納めていかなければ形になりません。
「せっかく図面や工法などを、時間をかけて考え資材なども入れたのに・・・。」と、我を張っていてはまとまるものもまとまらなくなります。
また自分の持っている知識や経験などは、実際に物を形にしている大工さんからしてみれば、何も知らないことと一緒なんです。
そのことが、嫌になるほどよくわかりました。
スケッチパースが描けても、ノミや鉋ひとつ満足に使えない。
設計やデザインを考えることができても、それを自分で建てろと言われると「無理だなあ。できない・・・。」となるんですね。
そういった意味で、実際に”形にしてくれる”方々への感謝は更に強くなりました。
そして、役割の分担によってひとつの建物を作っていることを再確認・再認識いたしました。
そういった気持をこめて、今後の設計・デザインに役立てていきたいと思いますし、またスケッチパースの描き方(姿勢)も変化してゆくように自分自身感じます。
図面やスケッチパースでは建物は建ちません。
しかし、図面やスケッチパースがなければ建物は建ちません。
大きな財産になりそうな大切な何かを勉強した、今年のゴールデンウィークでした。
(体は現在ガタガタ・ボロボロです。)