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手描きスケッチパース講師の「ススム日記」

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スケッチパースにかかせない「ペン」の話

前回は、スケッチパースの線についてお話しをいたしました。
今回は、その線を引く道具「ペン」についてお話しいたしましょう。

この講座では、仕上げに「ペン」にてインキングする、ということになっております。
これは、ディテールの描き込み(”チリ”や”厚み”の表現)や素材感の表現を描き込むことによって、着彩はポイント程度で充分な描き方を講習しているためです。

つまりは、「線の強弱」や「線の太い・細い」などの表現で、設計・デザインの意図や意義を充分にお客様に伝えられるような描き方となっている、ということです。

そこで大切なのが、「ペン」という道具ですね。

ペンと一言で言っても、画材屋さんに足を運んでみてビックリですよね。
一般の使用のものから我々のようなプロが使うものまで、沢山の種類があって何を基準に選択したらよいのかわからなくなります。

私の場合は、長年スケッチパースを描いてきて自分の手に馴染むペンに巡り合ってからはズーッと同じペンを使用しております。
(ちなみに、「PILOT Vcorn 水性タイプ  0.4~0.5くらいの太さ」です。)

先ずは、色々なペンを試してみることが一番です。
少々お金はかかりますが、画材屋さんで試し書きをした中で「いけるかな?」と感じたものを幾本か購入し、それぞれのぺんで実際にスケッチパースを仕上げてみることです。

線の引き具合、伸び具合、ペン先の硬さ・柔らかさ、ペンを持って線を引いてみた感触、ペン自体の太さが自分の手に馴染むか、などなど自分自身が線を引いてみて気持ち良く引くことができるペンが一番適している、ということです。

この講座の教材では、ペンは「水性タイプ」のものですが人によっては「油性タイプ」のペンが手や感触に馴染む、といったケースもあります。
同じ太さであっても、線の”雰囲気”がどことなく違ったものがあるんですね。
一度、実際画材屋さんで試してみて比べてみてください。

スケッチパースを描くことに慣れてきますと、”ペンの太さ”にもこだわりたくなりますね。
講座内では、「0.4と0.1」の太さのペンにて講座を始めさせていただいております。
これも、やはり人によっては筆圧が高い方などは0.4のペンで引いた線でも0.5くらいの太めの線となっている、といったケースもあります。

これは、「いい・わるい」とか「上手い・下手」といったことではありません。

スケッチパースを描く枚数が増えてきますと、自ずと自分の”癖”みたいなものがわかってきます。
そこで、仕上げたスケッチパースを見て、自分がイメージしていたスケッチパースになっているかを客観的に観察してみてください。

「なんかボッテリとした感じになっているなあ。」ということであれば、ペンの太さを0.1細くしてみるといいでしょう。
また、その逆もありますね。”よわよわしい”と感じれば、ペンの太さを太くしてみる、ということです。

こうして、徐々に自分らしいスケッチパースに仕上げてゆきます(なってゆきます)。

諺にありますが、弘法大師空海さんは筆を選ばずとも見事な文字を書くことができたとか・・・・・。
勝手な私見ですが、おそらくはその筆なりの”特性”を見抜きそれを活かした書き方をしたのではないか?と思っています。(が、いかがなものか・・・・・。)

長年スケッチパースを描いてきて、ペンに助けられたということがあります。
たかが道具、されど道具。
道具いかんによっては、表現の”され方”が違ってきます。

画材屋さんに行きましたら、ゆっくりとペンを吟味してみてはいかがでしょうか。
by sketchpers | 2009-06-05 09:01