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手描きスケッチパース講師の「ススム日記」

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スケッチパースと娘

「スケッチパースの役立て方」、他には何があるのだろうか?

ん~、実践的な話は過去の「ススム日記」にすでに書いてあります。
概念的な話も、これまた同様。
また、最近の日記に「自身の人生観」に多少役立てられるような話も書きました。

何が他にあるのかなあ~。

と思っていたら、昔娘が1枚のコピーしたスケッチパースを手にとってこう言ったことを思い出しました。
「お父さん、色ぬるやつ(マーカー)貸して。」

そういえば娘は小さな時から、コピーしすぎてためておいた様々なスケッチパースの中から気に入ったものを何枚か選び、いっちょまえにも”マーカー”なんぞで「ぬり絵」をして楽しんでいたんです。

「お父さん、見て見て。これ、どう?」
その”常識に捉われない色使い”に、なにやら「ピカソみたいだねえ~。」などといったはぐらかしの評価をしながらも、楽しそうに私の机の横に座って”作業”をしている娘を見ていて、「ほ~、スケッチパースって、子供が見てもおもしろいものなんだなあ、きっと。」とその時は何気に思い過ごしました。

が、その時から”妙な自信”が私につきました。
なにせ子供ですから、好きなものは好き、嫌いなものには興味を持たない、大人にとってはある意味「残虐極まりない評論家」でありますから、娘の行動は何やら”お墨付き”を貰ったようでうれしく思ったものです。

娘はそのうちに、「平面的なぬり絵」から「立体的にスケッチパースを捉えてのぬり絵」へと変化してゆきました。床は床らしく、壁は壁らしく(時には自分のアイデアでパターンを入れてみたり・・・)、椅子の張り地の模様なんかにも凝ってみたりして塗っていました。

まあさすがに、見よう見まねでスケッチパースを描こうまでには至りませんでしたが、その当時の学校での図工の授業で描いた絵を見てビックリしたものです。
まだどうしても”立体として物を描く”といった感覚が乏しい子供たちの中で、ひと際ダイナミックな構図に空間性(空気感)を感じる絵があったのです。
それが、娘の絵でした。

子供ですから大人以上に物事を吸収するスピードは速く、感覚も素直で活き活きしている時期ですから、その分、ただの”ぬり絵”であっても感覚的に「スケッチパースのトレース練習」的なことになっていたんでしょうねえ。それで、きっとあのような絵が描けたんだろうと思いました。

今では、中学校の部活動(吹奏楽部)で毎日忙しい学生生活を送っていますから「ぬり絵」の時間はなくなりましたが、今思い出してみますと何やらとても大切なことを実は娘から教わったのではないか、と思います。

分析をしてゆけばそれなりに解釈できるでしょう。
しかし、ここではそれをいちいち銘記するつもりはありません。

「手書きのスケッチパースは、見ても描いても塗ってもトレースしても、”楽しい”ものなんだ。」

これだけで、充分スケッチパースの魅力と役割を語っているものと思います。

皆さんが描いたスケッチパースをお子さんに見てもらってはいかがでしょうか?
いろんな反応があるのではないでしょうか。
そして、意外にも「親子の会話」がそこから始まるきっかけが潜んでいるのかもしれませんね。
by sketchpers | 2009-12-25 12:16