随分とご無沙汰しておりました。
皆さん、GWなどいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は、4月27日~5月6日まで京都府は綾部市に行っておりました。
「移築~リフォーム」の仕事です。
元倉庫を解体し、使える躯体はなるべく活かして再生・組み立てして、「パン工房」を創るといった仕事の内容でした。
大きさは、4m×2.2mの平屋です。
実は私、少々「大工さん」の真似ごともいたしますので、ラフな設計図面に基づきまさに”現場あわせの極致”のように、その都度納め方を検討しながら、実際に「インパクトドライバー」やら「電動のこぎり」やら「ノミ・カンナ」などの道具を使って立て直してきました。
並行して隣では「パン焼き窯」が作られていました。
「パン焼き窯」の設計図も、一応私が描きましたので”トンカン・トンカン”しながらも窯作りへの対応も多少するといった次第でした。
約25年間、設計・デザインの仕事を生業としてきました私は、ここ1年くらい実際に大工道具を使って実際に自分が設計したものを現場に入り仕上げる、といったことをいくつかしてきました。
始めは、道具の名前すらわからないことも多く、ましてや使い方がわからないものもあり、また道具は知っていてもちゃんとした使い方を知らなかったりと、何とも恥ずかしいばかりの連続でした。
それが一通り過ぎますと、次には「現場の作法」といったものを勉強させていただきました。
電源の持ってきかたやコードは踏まない、脚立の置き場や道具の置き方などなど、「安全」に「効率よく」なおかつ「全体を見ること」を学びました。
そして、一番学んだことは「納め方の作り方」です。
設計者やデザイナーは、当然のことながら図面上意図する所は「納まり図」としての詳細図を描きます。しかしながら、私も含め一般論としてよく大工さんが「こんなもの、どう納めるんだい?!」とか「こんなもの、納まんないよ~・・・」とか「設計さんは、線が一本おおいんだよなあ」という言葉をよく耳にします。
設計図を持って現場に入り指示を出す、といった状態での当時の私は「何でわからないかなあ?」「図面をちゃんと見てくださいよ!」と腹の中でブツブツ思っていたものでした。
しかし、今は大工さんの言うことの意味合いがよくわかります。
実際に形にする「おもしろさ」と「難しさ」は、実際に手を動かして初めて理解できたからです。
「結局は、何も知らなかった。知っているつもりになっていた。」、これが私の反省であり今後の指針ともなりました。
スケッチパース講座で、よく私が言う「成るより慣れよ」や「先ずは手を動かしていきましょう」と皆さんにお伝えするのは、こういった背景があるからなんです。
物や事の”実”に触れなければ、”本来の形”になっていかないということなんですね。
さて、GWも終わり仕事モードにと頭が切り替わったところで、「スケッチパース講座」を通して物事の本質に少し触れてみませんか?
(※スケッチパース講座「OPEN COLLEGE」の東京会場、名古屋会場の受講募集は随時いたしております。是非、ご参加くださいませ。)