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手描きスケッチパース講師の「ススム日記」

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グリットの面白さ

いきなりパースを描こうと思っても、パースの「考え方」をまずは理解しなくては、”描き方”がわかってもその後の応用がなかなかできず、結局はパースが描けないということになってしまいがちです。

グリットのお話しを最近しておりますが、今回は「グリットの面白さ」にふれることで、パースの考え方の基本とパースを描く上でグリット描法が大切な基本であることをお話ししたいと思います。
グリットの面白さ_c0159795_09533764.jpg
上の図をご覧ください。
左下には平面図(矢印はVP=消失点の位置=人が見る位置)があり、その上には実際にその空間の見え方(パース)を表しています。

このように、普段なにげなく目にしている室内を”パース的に観る”と、右中にあるような赤線のグリット空間の中にソファやテーブルなどアイテムの立方体(ボリューム)があり、壁には開口部(サッシ)の四角が描いてあるようになります。

グリットの線は、実はそれぞれ一辺は同じ寸法となっております(※「手描きパース講座・USB動画版」の簡略法描きによるものです。通信講座では、さらに詳しいグリット描きとなっています。)
この同じ寸法のグリット線を利用して、アイテム等の立方体の大きさや位置を描く事ができるわけです。
壁にある開口部の四角も、グリット線の寸法を利用して高さなどを出して描いています。

このように、グリット線の空間をしっかりと描けて立方体描きができればほぼパースは描けたも同じなんです。あとは、立方体がソファなのかイスなのかテーブルなのかの詳細描きをしてゆけば良いのです。

また、グリット線の水平線であります「HL(またはEL)=目線の高さ」を下に下げた場合には”見上げ”たパースとなり天井面のボリュームが大きく見えます(※右下のパース)。

逆に、「HL(またはEL)=目線の高さ」を上に上げた場合には”見下げ”たパースとなり床面のボリュームが大きく見えます(※右上のパース)。

このように、目線の高さを変化させるだけでもアングルが変わり、提案したい個所にスポットをあてたパースが描けるわけです。

グリットの作り方で、いろいろな空間をアングルで描ける、そんな描き方がグリット描法です。

by sketchpers | 2015-11-06 10:20