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手描きスケッチパース講師の「ススム日記」

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『生活』から入ること

『生活』から入ること_c0159795_19595048.jpg『住宅』にとって大切な設計・デザイン上の要素は、一体何と考えられるでしょうか。

「地震に強い(耐震性)」「メンテナンスフリー(耐久性)」「高気密(防音性)」「高断熱(熱効率)」「省エネルギー」「間取り」と、パッと思い浮かぶ単語はこのような事でしょうか。
よくよくこの単語を見てみますと、”ハード(構造や性能)面”が主に住宅に対するイメージが一般的に強い傾向があるのではないか、と思うのです。

確かに、三次元として”箱”を作り上げることは大切です。しかし、”箱”を作り上げる期間と”箱に住む”期間とでは、圧倒的に”箱に住む”時間が長いわけです。
「なんだ、当たり前の事じゃないか・・・」と思わないで頂きたい。長い時間かけて住んでゆく事(その意味)を、今一度よーく想像し考えてみて頂きたいのです。
結婚をし、子供が産まれ、家族としてその都度様々な峠を越えてゆき、自分の両親の世話と共に今後の自身の生き方を改めて考え直し、やがて子供は独立し家を離れ、夫婦二人の新たな生活が始まり、様々な体験が人生をより深く・広く・高く彩り、そして伴侶を看取りやがて自身も往生する・・・・・。短いようで長く、長いようで短い「人生という時間」の少なくとも三分の一は”箱”たる住宅にいるわけです。
人体への安全の保証は、”箱”の条件の標準必須要素です。

今一度大切なのは、『自身の生活をどう捉え、どう生きてゆくのか』という事で、そのために必要十分条件は『生活からトータルに提案された、箱ではない”住まい”としての住宅』でしょう。朝、目が覚めてから就寝までの一日というスパンから、青年〜中年〜壮年〜熟年といった人生の円熟期ごととしてのスパン、そして夫婦〜家族〜二世帯などの”在り方”の変遷のスパン、などを考慮した”住まい(物件でもなく商品でもなく、作品や儲ける事業でもなく、ましてや投機物ではありません)”が必要なのです。

”生活”とは『生命活動』のことです。単に、肉体の維持のことを意味しているわけではない事くらいは、皆ご存じのはず・・・。
しかし”動線”ひとつとっても、その計画性の在り方によっては「健康でいられる」ことができたり、「健康をいつしか害する」ことにもなったりするのです。「たかが動線で・・」などと思わないで下さい。
例え話ですが、野球のピッチャーが”カーブ”ばかりを投げていると腕が変型し肘が故障する、これと同じことなのです。

一事が万事、動線ひとつとっても疎かにはできません。『生活視線から”住まい”をご提案する』、さんざん言われてきた言葉ですが、その本当の意味を改めて自身の事(自身の人生)として見つめ直していきたいものです。

『一体、何が本当に大切なのか?』・・・・・、自身のライフワークと仕事が徐々にリンクしてゆく事で、新たな「住まいの扉」が開かれてゆくと思っています。少しづつ少しづつ、バラバラに離れてしまったものを、ひとつづつひとつづつ取り戻し融和させ、お施主様と共に『生活』を取り戻すお手伝いをご提案してゆきたいものです。
『生活』から入ること_c0159795_2055357.jpg

by sketchpers | 2008-07-23 08:42