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手描きスケッチパース講師の「ススム日記」

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2009年 04月 27日 ( 1 )

”手抜き”でスケッチパースを描く

「手を抜かずに、手抜きする。」・・・・・、なんじゃそれ?って感じですよね。

いきなり何言うのか?と申しますと、これ実は”極意”とは違いますが、スケッチパースを描く上では重要なテクニックなんです。

本講座では、「サラサラっと描くクイックの要素を持つスケッチパース」と、もう一方では「手書きであるがゆえの雰囲気あるリアリティーを持ったスケッチパース」の両スケッチパースが描けるような講座内容になっています。

特に、「リアリティーを持たせる」ための描き方につきましては、ある意味徹底して指導させていただいております。
それは、「手書きゆえに、単調な絵にならないようにすること」や「やはり住宅という”重み”のある絵としての表現」になるよう、スケッチパース自体が”図面にもなる”くらいのリアリティーがあるからこそ、お客様に対して「わかりやすく、訴求力あるもの」としてご提案ができるからです。

ゆえに、リアリティーを待たせた描き方は、結構細かな部分(板材の厚みの表現や”チリ”の表現や素材感の表現など)を大切に描くように心がけをしています。

しかし、一方ではそこまで描き込んでゆくので案外時間がかかるものです。
スケッチパースを描くこと(パースを起こすこと)自体に慣れてしまえば、そう面倒なことでもないのですが、やはり多少は時間はかかるものです。
実際に、ディテールを突っ込んで描いているわかですから。

そうなりますと、「ちょっと丁寧にもほどがありゃしませんか?」などといった疑問が湧いてきてもおかしくはないでしょうねえ。
「面倒だなあ。こんなところまで描き込むのかねえ?」
「こんなことしていたら、手書きだもの日が暮れてしまうよ・・・。」

そうなんです。
私も、スケッチパース新米時代はそう思っておりました。

しかし、なんとかめげずに描き続けてゆきますと、それが自然と”描き方の癖”になっているんですね。
そして、そこまで突っ込んで描き込まないと「設計やデザインの意図がスケッチパースからじんわりとでてこない」んです、やっぱり。

私が新米時代から少しは仕事が出来るようになってきた頃、スケッチパースの描き方にも慣れそれなりに描く時間も短縮はしましたが、やはり自分の思っている時間では”描ききれて”はいませんでした。

「何か方法はないだろうか?」

以前のこの「ススム日記」に書きました、私のスケッチパースの師匠ともいうべき先輩のスケッチパースを描いているところをじっくりと観察してみました。

すると、以下のことに気付きました。

   ・先ずは、描く”手がやはり速い”こと
   ・全てが全て、描き込んではいないこと
   ・”手前にくるものの表現ほどリアリティーをもたせる”ことと、逆に”遠くのものほどあまり描き
    込まない”

このようなことでした。
「動かす手を速く」することは、そのことを意識して描き続けてゆけば次第に速くなりました。
ということは、これは「運動的な練習」の範疇ですからどなたでも速くなる、ということですね。

「全てを描き込まずに、手前重視・奥は手抜き」。
これを発見したときには、「な~るほど!!!」とときめきましたねえ。
「ああ、そんなものでいいんだ。」といった、気が軽くなる思いでした。

まあ”手抜き”と言いましても、それなりにはちゃんと絵としては成り立ってはいるのですが、素材感を軽めに描いたり、「ほぼ、こんな感じに見えるんだろうなあ」といった”感じ”での線引き(いちいちVPに結んでいたりしない)で表現したり、図面上では椅子は6脚だけれども描くのは2~3脚で済ませそのうちの1脚はどのような椅子なのかがわかるように少し振って姿がわかるように描く、そのことでわざわざ6脚もの椅子を描かなくとも絵としては“バランスが保てる”ことになる、などなど。
具体的に「手抜き」をご紹介しますと以上のような内容になります。

しかし、どこをどう手を抜けばいいのか?。

最も基本的な手抜きは、「手前重視で、奥は手抜き」となります。
よりリアリティーある描き込みは、スケッチパース上で”手前”にくるものです。
パースがかかって奥にゆくものほど、リアリティーを少しづつ消してゆきます。
このことにより、パース上での”線の遠近感”とはまた違った,”描き込む量(リアリティー)の違いによる遠近感”が出来てくるわけです。

例えば、手前にあるグリーンは葉を丁寧に描くが、奥にいくほどにグリーンは簡略化され、一番奥のものは緑の塊的な表現になる、ということです。

このテクニックを身に付けますと、段違いで描くスピードは速くなります。
また、これが「クイックパースを描く」ことに繋がっていきます。

「どこをどう手抜きするか?」。
このことを考えることは、決して手抜きではありません。
これが出来るようになってきますと、スケッチパースを描くことがますます面白くなってきます。

「手を抜かずに、手抜きする。」、いかがでしょうか?
スケッチパース集をご覧になってみて、そのテクニック具合をようく研究してみてもいいでしょうねえ。
by sketchpers | 2009-04-27 13:55