手描きスケッチパース講師の「ススム日記」

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2009年 07月 04日 ( 1 )

日本人って、何だろう?

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、大工さんの技能を競う大会が毎年あるそうです。

競う技術の内容は、大工道具の種類と同じで「鋸(のこぎり)」や「鑿(のみ)」や「鉋(かんな)」などとなるようです。中でも、一番”おもしろい”のは「鉋(かんな)」だそうです。

継ぎ手を工作する「鋸(のこぎり)、鑿(のみ)」も、難度の高い継ぎ手をいかにして”速く・強く・正確に”作り上げ、同時に道具を使いこなしているかといったところも、見どころと言えば見どころでしょうが、一番人気があり技術を試す大工職人の数も多いのが「鉋(かんな)」だそうなんです。

では、「鉋(かんな)」の何を競うのか?

この競技は、「鉋(かんな)の削りの厚さ」を競うといったものです。
つまりは、削りの厚みが薄ければ薄いほど腕が優れている、ということになるのです。

おそらくは、何メートル以上の長さの鉋(かんな)木くずで競うと思われます。
(あまりに短い木くずでは、意味がありませんからね。)

やはり上位者の削った鉋(かんな)木くずは、”網戸越しに見ているほど”に透けてみえるのだそうです。
そして、その厚みもほとんど同じ厚みで削られている、ということのようです。
聞いているだけで、鳥肌がたちますね!!(・・・・・)
また重ねて驚くのは、今削った木くずの厚みがどの程度のものかが、削っている本人にはわかっているということです。
この体感覚といいますか皮膚感覚といいますか、職人という方々はおそろしい「センス(感覚)」の持ち主なんですね。

そういえば、旋盤(鉄板を回転させて、棒のようなもので鉄板面をなぞっていきながら丸みを作ってゆく)の技術でも似た話がありますね。
機械ではどうしても出せない微妙な”アール(曲面)”は、旋盤職人の手触りの感触ただそれのみの「感覚判断」で製作されるようです。
また精密な望遠鏡の場合でも、命ともいえる反射鏡の凹面の磨きも「磨き職人」の手感覚のみだけが頼りであり、機械ではとうてい真似できないそうです。

そしてこういった技術(手感覚技術)は、なんと「日本人」が一番優秀なのだそうです。

根気、粘り、丁寧、優しさ、柔軟、特性を見抜く目、感じる心(感触感)、などなど”手仕事”にふさわしい姿勢や気構えはいろいろとあるでしょう。
それを総括的に尚且つ秀でて持っているのが、日本人の特質のようです。

素晴らしい話しじゃありませんか。

そのような特性を、もっといろいろな面で活かすことができれば、例えばもの作りの価値観も変わってくるのではないだろうか、と思うのです。

大量生産や大量消費、効率至上主義、顧客不在の供給者(企業)論理、外面のみのデザイン、薄利多売、低価格競争・・・・・・・・、このような時代はもうすでに終わっています。否、終わっているはずなんです。
しかし、どうでしょう。益々、上記のような時代遅れの価値観にさらに拍車がかかっているように私には思えてなりません。

そもそも、こういった上記のような価値感は本来の日本人の特性にあった(有った・合った)ものなのでしょうか?

地球人口60数億人のうちのわずか1億3000万人弱の日本人である私達とは、一体何者なのでしょうか?
自身の足元からもの作りを考えてみるのも、一考なのかもしれませんね。
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by sketchpers | 2009-07-04 18:32