「プロのための・・・」と謳っておりますこの講座。
受講生やこの講座のサイトをご覧いただいております方々は、まさに「設計・デザイン界のプロとして」ご活躍されていらっしゃる方々でしょう。
本日は、少しスケッチパースから離れて「同業者の立場」としてお話することにしましょう。
「いや~、仕事がないね。こんなこと、始めてだよ。」
特に最近よく口ぐちにする言葉です。
また、よく耳にする言葉です。
大手メーカーから設計事務所・デザイン事務所そして工務店など、住宅産業はおろか建築業界全体が今動きがないのが現状のようです。
そのような中でも、創意工夫し新たなシステムで仕事をされておられる企業の方々や事業主の方々がいらっしゃることも、これまた事実のようです。
このような現状の中で、「いったい設計とかデザインって何なのだろうか?」と、ふと立ち止まり考えます。
もっと踏み込んで言いますと、「これからの時代(次代)へ向けての設計・デザインの在り方」とは、いったいどのようなことなのだろうか、と。
今、私達が”作業的”に行っている設計・デザイン行為は、「西洋型スタイル」のように思えるのです。
そういった意味で独自に「設計・デザイン」という言葉がこの日本に入ってきて、まだ1世紀も経っていません。
元々は、「意匠」という言い方があり、今で言う設計・デザイン・コーディネートの一切を表現した言葉でした。
そして大切なのは、それを自分自身で「作り上げている」ということです。
正に言葉のごとく、「匠の意を表す」こと、形にすること全てで”ひとつの仕事”だったのでしょう。
(道具を作る職人は各々いましたが、その道具を使って”意匠”を仕上げることがひと通りの仕事だったのではなかろうか、と思います。)
”意匠”の持つ大きな力は、「全体そして一から十まで、全てを見とおしている」ということではないでしょうか。
そこから考えますと、今の仕事の在り方は随分と”分業化”されたものになってしまったようです。
分業化によって、その道のスペシャリスト(専門家)というものが生まれてくるわけですが、全体をまとめられる者がいれば分業化も活きてくるでしょう。
実際、過去の経済的に発展した大きな起因は”分業化の専門化”があったわけですから。
しかし、どうもここ最近ではその専門性自体が各々「巨大化」してしまい、動きがとれない状態に自身がなってしまったのではないか、と思うのです。
そう、「恐竜時代の末期」のような現象ですね。
と言う事は、後は”絶滅”を待つのみ、という事になるのでしょうか・・・・・。
「温故知新」ではありませんが、生き物として時代の末期を迎えそしてその峠を越えて生き残ったものたちに学ぶとするならば、こうゆうことなのではないか、と考えます。
「過去の概念や価値を一切捨てて、次代(環境)に融和・適合してゆく」こと。
ある意味では、”生まれ変わる”ということなのでしょう。
生まれ変われなかった恐竜は、絶滅しました。
”絶滅”とは、ひとつの時代が終わったということ、つまりは「新たな時代(次代)」の始まりである、ということなのだと思います。
現在、「仕事がない」のはすでに”過去の時代のようなやり方の仕事”がなくなっている、ということなのでしょうねえ、そう感じます。