手描きスケッチパース講師の「ススム日記」

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「やっぱり絵は苦手」という方へ

「私は絵を描く事が苦手・・・」という方には、大まかに二通りあるようです。

ひとつは、”描かず嫌い(実際には描かずに頭で勝手に描けないと決めてしまっている)”の方です。このような方は、(本心では)「あんな絵を描きたいなあ、描けたらいいなあ。」と思っているはずではないでしょうか。
当たり前ですが、始めから絵が上手な人など存在しません。いきなり完成度の高い大きな絵を描く事をついつい目標にしてしまいがちで、それに圧倒され絵を描きたいのにやめてしまう・・・。もったいないですねえ。
住宅の1階から2階へは一気に上がれません。階段を一段ずつ上って始めて2階にたどり着けます。

この事と同様に先ずは、身直なものから絵を描いて(スケッチ)してみて一歩づつ進みましょう。身直なもの、例えばこの日記に毎回ひとつづつ載せているようなごく小さなものです。
始めは誰だって「何か変だなあ。」「全然似てない・・・。」と思うでしょうが、ガッカリする必要はありません。
”描かず嫌い”の方にとっての第1目標は、『手を動かす事』なのですから。ですから、多少絵が歪んでいようが技術的な事よりも大まかに形を捉えて、”形の本質(正方形・長方形・球・円柱・円錐・三角錐・四角錐”を感じとれればいいのです。それが、今後まさに『描きたい絵が描ける』ようになる大切な”基礎”になります

(例えばぬいぐるみは、頭部は球・胴体は円柱・手足も円柱と形を解析して、各々の大きさの関係(比率・バランス)を捉えればよいのです)。いかがでしょうか。難しい話などないことがおわかりいただけましたでしょうか。

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では、鉛筆でもサインペンでもクレヨンでも何でもいいですから、手に持って一本の線を引いて新たな扉を開いてみましょう。
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# by sketchpers | 2008-08-16 08:06

それぞれの役割がある

皆さんは、お施主様に提出する図面の”スケール”に気を配っていますか?

”スケール”つまりは「100分の1」や「50分の1」、「20分の1」といった計画図の大きさです。
自分自身のエスキースの段階では、大抵は始めに「100分の1」スケールで計画・デザインしてゆくでしょう。

おおまかなゾーニングや間取りが整ってきたら、スケッチパースをサッと描きながら空間全体の検討へと移行し、少し突っ込んだ部分については『納まりの概略な検討』として、「50分の1」「20分の1」といったスケールで確認している事でしょう。

実際、お施主様との打ち合わせが佳境を迎えてきたら、「10分の1」「5分の1」又は「原寸(1分の1)」で検討・確認するでしょう。自分自身が設計・デザイン計画でその都度行っている検討スケール感が、お施主様にとっても大変重要な意味合いがあるのです。

「100分の1」スケールは、敷地に対してどうゆう位置にどれくらいの大きさの住宅が計画されるのか、又外構はどのような使用勝手としているのかを表現する大きさです。
それ以上の細かな話は、「100分の1」ではスケールが小さすぎます(お施主様は想像できません)。

間取り・動線計画・使用勝手・家具レイアウトといった、『どうゆう生活ができるのか』という説明には、「50分の1」スケールが必要(最適)です。
次に、そこにある造作的な細かい話し(検討)は「20分の1」又は「10分の1」スケールにて表現します。
そこには、幅・高さ・厚み・素材感などが表現され、実際に使用勝手として適切かをお施主様は共に検討・確認してゆけるわけです。

このように”図面スケール”には各々の意味合いがしっかりとあり、『このスケールではこの内容を検討・確認する』という明解な意図があります。「100分の1」スケールだけでは、お施主様の”満足する住まい”は建たないでしょう(建てられない)。かといって、始めから「20分の1」「10分の1」スケールでエスキースをしても意義がありません(全体がわかりにくくなる)。

『適”縮”適所』によって、お施主様と共に理解・検討・確認・選択・決定をしてゆく事が、設計・デザイン力を上げより充実した内実のある住宅を提案できる事に繋がり、結果お施主様の”満足”に結びついてゆく事になります。

『各スケールの役割とスケッチパース』の意義と意味合いが、これでご理解できたと思います。これも、手間・ひまを掛ける事の重要性を物語っています。人間同様、意味のないスケールは存在しないという事を胆に銘じて、日々の作業に役立てて下さい。
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# by sketchpers | 2008-08-12 18:29

手間・ひまを掛ける大切さ

私は、お施主様に提案(プレゼン)する際には必ず”手書き”のもので提案をさせていただいています。
これには私なりの経験に基づいた、『こだわり』があるからです。それは、『手間をおしまない』という事です。

”利益”を第一優先に考えている頭では、これは到底理解に及ばない代物ですが、”物作り”を第一優先に考えている心では素直に納得ゆくことだと思っております。
図面にとって一本の線は、手書きだろうがCAD図だろうが変わりはしない、と思っているのであればそれはそれで結構です。否定はいたしません。

私はこう思っているのです。”図面は意志・意図の表れ”であると。手紙やメールや絵画や彫刻など、自身の考えを相手に伝えるものだという事です。それは、正確に伝わらなくてはいけないでしょうし、嘘があってもいけません。
しかし、そう簡単に人の考えている事など伝わるほど易しくもありません。いかにしてお施主様に自身の意志・意図を伝えきれるか・・・。行き着いた結論が、先程にありました『手間をおしまない』という事でした。

『手間』とは、私にとっては『手書き』と結論いたしました。”以心伝心”という諺通り、人の手が入ったものには目に見えない形までも、意識・無意識に拘わらず伝わるものです。それが、お施主様に対する心尽くしの提案だと思っています。いくら形・格好が良くても、そこに『伝わる心』がなくては結果的に何も生まれてはこないでしょう。
手間・ひまを掛けるという事は、つまりは”手作り”という事であり”物作りの基本”であり、時間の掛かる事なのです。

しかし、その掛かった時間の量に比例するかのように、”効率優先・利益優先”での提案で仕上がった住宅の寿命は、悲しいかな短命が多いのは事実です。手間・ひまの掛かった提案で仕上がった住宅は、それだけでお施主様にとって愛情が湧き、結果寿命の長い住宅(長く使ってくれる住宅)になるのだろう、という事です。

しかし、やたらと時間ばかりを掛けたら良いというものではありません。提案する図面のスケール(縮尺)には、各々意味合いがありそれに準じて手間・ひまを掛けるのです。次回は、具体的に各図面スケールの意味合いをお話致しましょう。
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# by sketchpers | 2008-08-03 21:16